2月8日金曜日にGoogleでテックリードを務める半谷明氏をお招きし、恒例のギークサロンを開催しました。

以下は、参加者の本間清司氏からの開催レポートです。
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今回のギークサロンは、ケータイ業界にもインパクトを与え始めたgoogleの携帯電話向けソフトウェア基盤の「Android(アンドロイド)」について。
従来の、最前列にアツいギークの方々が鎮座して突っ込みまくるスタイルから180度方針転換して、最後方よりホストを静かに狙い撃ち(?)するスタイルに変更。ホストも途中物足りない様子で「答えられる範囲で答えるから、質問して~」という場面も。
第1部ではSDKセットアップのポイントから始まり、初心者にもわかりやすいAndroidのアーキテクチャ解説、サードパーティがSDKを使用して、いかに簡単にアプリケーションを書けるかということがメインに話が進みます。
(SDK全体的なこととして)
* Ecripsの利用を高推奨
* SDKはearly lookでプリβ版といった感じ
* 公式ドキュメントがまだまだ足りない
(ポイントとして)
* SwingやJ2MEとは違う少しクセがあるフレームワーク
* データベースはJDBCとは違い、SQLiteを活用
* ユーザインタフェースはXMLで記述
以上の点を押さえつつ、従来の携帯電話用Javaアプリ開発との違いを交えてアーキテクチャを一つ一つ丁寧に追いながら解説していきました。
第2部では、全体的に説明を聞く雰囲気から一転し、インタラクティブにセッションが進行します。半谷氏は、HelloWorldの解説だけでは物足りないだろうということで、スクラッチで書いてきた「株価情報アプリ」を例にとってコードを追いながら説明を続けました。
第3部では、SDK付属のサンプルアプリケーションを用いて詳細なAPI解説を行います。「あれはできるか?これはできるか?」と会場が一体になり、氏とAndroid SDKの可能性を模索しました。近く登場するであろう「某林檎社のナントカPhone」のSDKとの比較や、使用しているプログラミング言語についての個人的見解を語り合うなど、よりギーク寄りモードに突入し、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
半谷氏はAndroidのコアのプラットフォーム開発チームに所属しているわけではなく、仕事の合間を縫って今回のセッション用のデモアプリを2日で書いたということです。これは、Javaでの開発経験があれば比較的楽に開発に取り掛かれ、気軽にAndroid携帯用アプリを作れるということを示しているようでした。フレームワークの再学習の必要性や、(現状では)UIのレイアウトはXMLでタグを書かなければいけないので少々学習が必要ですが、今までクローズであったレイヤーでの開発が可能になり、可能性が広がります。
個人的に興味があったのは、誰でもオープンにAndroid携帯のアプリを作れるという状況で、日本のDoCoMo公式iアプリのような Trusted / Untrustedの区別方法をどうするか、また”Google Certified”のようなモデルは用意されるのかといったセキュリティに絡んだところでした。
この辺はギークサロンの醍醐味でもある、刺すか刺されるか的な雰囲気(?)での「バグや欠陥の可能性のありそうなところ」の探り合いで、VMのソースコードは公開されるのか、他のアプリからのデータの参照はできそうか、という話題では盛り上がりをみせました。
また終盤では、予測の域を超えない範囲での「カネ」になるところのビジネスの話では一同熱心に語り合いました。
世間の話題を集めるgoogleの携帯電話ビジネスに関する話題なだけに、半谷氏も今回のサロンのためにギリギリまで本社に掛け合い、ビジネス的な話題は一切なしとことでギークサロンでの発表に漕ぎつけたそうです。もちろんそのトークの中では氏個人としての見解とgoogle公式の情報が明確に分けられ、言葉を選びながらのプレゼンでしたが、恒例の裏話!?も聞くことができて笑いが絶えない充実したセッションでした。
—- 以下はイベントの告知文です —————————

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