11月のギークサロンでは UCバークレー教授・バークレー理論物理学センター長の野村 泰紀教授をお迎えします。野村先生は素粒子論及び宇宙論の専門家で、非常に優れた功績を果たしたとして2017年に米国物理学会フェローにも選出されています。

また野村先生はマルチバース論(多元宇宙論)を古くから提唱されています。野村先生の著者によりますと、”我々が生きる「この宇宙」は、物理法則も次元の数も異なる無数の「宇宙たち」の一つにすぎず、それら多くの宇宙においては素粒子の種類や性質、それを支配する法則までもが我々の宇宙とは異なっている”とのことです。いわゆる我々の思う宇宙というものは、複数生まれながら膨張していく沢山の異なった宇宙の中の一つの宇宙に過ぎないというイメージでしょうか。

このマルチバース宇宙論は当初とっぴなものとして受け止められたものが、20世紀末から本格的に行われた詳細な宇宙観測と、超ひも理論やインフレーション理論といった最新の理論物理学の進展に合わせて改めて検証され矛盾のないことが分かり、近年になって急速に受け入れられつつあります。そのため近年では各種の科学雑誌やテレビなどでの取材も多く、皆様の中にも目にしたことのある方も多くおられると思います。

当日はその理論物理学の最先端となるマルチバース宇宙論について、一般の方に向けてより分かりやすくまた科学的な説明を合わせてお話を頂く予定です。

 

◾️時間・場所

11/9 金曜日 / WSGR 弁護士事務所 ( 650 Page Mill Road Palo Alto, CA ) にて

参加申し込みはmeetup.comにてお願い致します:
https://www.meetup.com/JTPA-Japanese-Technology-Professionals-Association/events/255894008/

19:30開場/ネットワーキング、20:00より野村先生のレクチャー開始

参加費は$8。軽食つき。学生の参加費は無料になりますのでその場合はmeetupにてスタッフまでご連絡下さい。その他当日の参加についてはこちらをご参照下さい。 https://www.jtpa.org/faq


 

◾️スピーカー: 野村 泰紀 (のむら やすのり) 教授

2000年 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程後期修了
2000年 カリフォルニア大学バークレー校ミラー研究員
2002年 フェルミ国立加速器研究所研究員(Associate Scientist)
2003年 カリフォルニア大学バークレー校助教授
2007年 カリフォルニア大学バークレー校准教授
2008年- ローレンス・バークレー国立研究所上席研究員を併任
2012年- カリフォルニア大学バークレー校教授
2017年- 東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構主任研究者を併任

◾️受賞歴
2004年 アメリカ合衆国エネルギー省OJIアワード
2005年 ヘルマンフェロー
2005年 アルフレッド・スローン研究員
2012年 サイモンズ理論物理学フェロー
2017年 米国物理学会 (APS) フェロー

◾️著書
『マルチバース宇宙論 私たちはなぜ〈この宇宙〉にいるのか』(星海社)
『Quantum Physics, Mini Black Holes and the Multiverse』(Springer)
『提唱者野村博士に聞く 今なぜマルチバースか』 (日経サイエンス2017年9月号)
『量子的マルチバースと時空間概念の変容』 (現代思想2018年1月号)