エープリルフール号です。つまり内容は全て嘘です。
はじめに
最近の話題といえば、火星の地底奥深くに、体長2メートルほどのアルマジロ状生物の群生が確認されたこと。その驚くべき赤外線映像を御覧になった方も多いことと思いますが、これで今後宇宙熱が再燃することは必死です。シリコンバレーの技術企業にも新たな方向性が生まれてくると期待されています。宇宙だ、コンピュータサイエンスだ、バイオだ、とその時々で流行りは移り変わりますが、やはり「自分の好きなことをする」というのが大事なことなのでしょう。
それでは今月もNewsletterをお楽しみ下さい。
渡辺
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Contents:
1 第2回JTPA Silicon Valley Tour: “Surviving in Silicon Valley” ご案内
2 私の職場紹介、ジーニック・コッツ社
3 人体にも影響を与えるコンピュータウィルスが登場
4 シリコンバレー求人情報一挙掲載
5 次回ニュースレター「飲み会」のお知らせ
  最終編集後記(by戸谷茂山編集長)
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1 《第2回JTPA Silicon Valley Tour: “Surviving in Silicon Valley” ご案内》
第一回シリコンバレー・ツアー、おかげさまをもちまして一人の脱落者・落伍者も出すことなく、無事全日程を終了することができました。ご協力頂いた皆様、改めてお礼申し上げます。未だ余韻醒めやらぬ状態ではありますが、「勢いのあるうちが華」の発想の下、第2回シリコンバレー・ツアーにつき、ご案内申し上げます。
【テーマ】
第一回ツアーでは、日本の若い技術者・研究者を対象とし、シリコンバレーの環境・文化に触れていただくと共に、日本人にとって「どんな働き方があるのか」「実際にどんな風に働いているのか」というモデルを提示し、参加者の今後のキャリアパスを考える上での指針を提供いたしました。
ところが、終了後に参加者のフィードバックを聴取したところ、ほとんどの方が「成功体験ばかりで現実味が無い」「競争社会で勝ち残る上で必要な厳しさが伝わってこない」「同じ飛行機・ホテルを強要するのは各人の金銭事情を汲み取っていない」といった意見をお持ちであったことが判明いたしました。
従って、今回のツアーでは「シリコンバレー・サバイバル」をテーマとし、参加者の皆様に「自助努力」や「淘汰」というよりリアルな世界を、体験していただくことを目的としたく思います。
【ツアー内容】
今回の「シリコンバレー・サバイバル」というテーマに即し、内容も第一回から大幅な変更を加えます。
*自力渡米による現地集合
*参加者自身が選び、アレンジした講師によるセミナー
*現地企業における就職インタビュー
なお、最後のインタビューを突破され、無事ジョブオファーにこぎつけることのできた方については、JTPAよりビザ取得費用の補助を致します。金額・条件は交渉次第となります。
【スケジュール】
上記のように、参加者の主体性発揮と自助努力により行われるツアーですので、スケジュールにつきましても、選考プロセスに勝ち残られた方々により自力で手配していただきます。
セミナー講師につきましては、参加者間で協議して「これは」と思う人を捜し、講演依頼からスケジュールアレンジまで、全て自力で行って下さい。現地企業におけるインタビューについても同様ですが、これはグループではなく、個人単位で行うものであることは言うまでもありません。
【費用】
渡航手段、滞在先も全て自力手配となりますので、金額は各々の才覚次第となります。
なお、4月1日付けで、第一回ツアーの成功に気を良くした一部JTPAメンバーにより、シリコンバレーででの研修、就職活動を目的とした渡米に伴う渡航方法・宿泊先手配を請け負う営利法人「Silicon Valley Tours, LLC」(本社イーストパロアルト)が設立される予定となっております。事業立ち上げの際にはウェブサイトへのリンクなどをJTPAサイト上に掲載するぐらいのことはしますので、自力手配に自信の無い方はこちらに手配を任せることも可能です。
但し、JTPAとしては同社の活動内容・サービスの質については一切責任は負いませんので、ご利用については参加者各人の責任においてお願い致します。
【定員】
第一回において、3倍を越える応募倍率であったことに鑑み、今回は40名に拡大することと致しました。
【募集要項】
今回も定員を上回る応募が予想されますので、以下の3点による書類選考を行いたい
と思います。
(1)履歴書
*日英各一部づつ
*就職面接にも使いますので最大限の「売り込み」を心がけて下さい
*ウソにならない程度の誇張は当然です
(2)写真
*ビジネス、ビジネスカジュアル、カジュアル各一枚
*カジュアル写真については、応募者の個性が如実に現れているもの、例えば仮装・変装・女装・男装・水着写真等はポイントが高くなります
*公序良俗に反するような写真はご遠慮ください
(3)エッセイ
*以下の3問につき、それぞれA4用紙一枚以内でエッセイを提出
*12ポイント以下のフォント、1行未満の行間を使った場合は即失格
問1:「なぜ自分を選ぶべきか?」
この問いでは、自己アピール力、エゴの大きさを測ります。
問2:「いかにして自分は渡米し、滞在するか?」
ここでは、発想力と創造性、リスクテイキングの力を測ります。「メキシコ国境からトラックの荷台に隠れて密入国」などという回答は大歓迎ですが、実行されなかった場合は当地で何らかのペナルティを課しますのでそのつもりで。
問3:「JTPA運営メンバーの中で、自分が取って代わりたいのは誰か?その理由は?」これはこちらの「後釜捜し」が目的です。取って代わろうとする相手が「大物」であればあるほど評価は高くなると思って下さい。ただ、対象として指名された本人が読むため、大物ほど評価は厳しくなることが予想されます。対象選びと理由付けの難易のトレードオフを十分考慮して下さい。
以上を、4月31日までに、JTPA日本支部宛に、全ての書類をPDF化してEメールでお送りください。当選の発表は、個別通知をもって代えさせていただきます。
申し込みのメールアドレスは第一回SVツアーと同じくsv-tour@jtpa.orgです。
【業務連絡】
なお、JTPA日本支部からの事務連絡ですが、4月1日付けで日本支部長には、中村さんに代わり、Sigat Barkerさんが就任いたします。ツアー申し込み先はSigat Barker宛て(日本語不可)としてください。
それでは、皆様奮ってご応募ください。JTPA一同、手ぐすね引いて待っております。
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2 私の職場紹介、ジーニック・コッツ社
私の職場、ジーニック・コッツ社(Gnik-Cots,Inc.)は、今はやりのバイオベンチャーが始まりなのですが、他の会社と一味違うみたいです。どちらかといえば、メディカル、バイオをベースとしてるのですが、エレクトロニクスを融合して、セミコンダクター、ナノテクも開拓しているっていう感があります。今現在、社員数100人強なのですが、1年後には、300人くらいにはなっているのではという勢いで社員が増えています。
温度感知パッド、小型発電機と電熱パッド、それに温度センサー、コントロール部を含んだ全私自身、実はこの会社に入ってまだ一年ちょっとなのですが、この会社のインタビューがとても面白かったのです。
以前、勤めていたバイオベンチャーが店じまいをしてしまい、次の会社を捜していた昨年のはじめ、4社目か5社目の面接がこの会社でした。そのインタビューとは、自社の技術にこういうものがあるが、君ならこの技術を使ってどういう製品を作るかという、非常に具体的なものだったのです。
その技術というのが、人体の部位の温度差を利用して発電するというものでした。体温センサーやその温度コントロール、フィードバック系などのこの会社の技術は、既に臨床実験用に医療分野に実用されているとの事でしたが、創業者が民生分野に打って出たいという意向があった事は後で知りました。
そのインタビューの日は、ベイエリアでも久しぶりに寒い日で、冷え症で日本の寒い冬が嫌でベイエリアに越してきた(?)私にとっては、大変な日でした。すぐに、この技術を冷え性の私のような人のために使いたいと思いつきました。当日、面接のために一応、スカートでストッキングを履いていた私は、冷え性用のストッキングを開発したら、絶対売れると話しました。そのときの面接の担当の男性の方は、いまいちな顔をしていましたが、午後に創業者のCots氏に同じ話をしたら、それはいい、君が担当してくれ、と言われ、おいおい、インタビューはどうなったんだって感じでした。
今思えば、Cots氏はヨーロッパや日本などにも長期滞在していた経緯があり、ストッキングの浸透率がシリコンバレーと比べてかなり高いことに気づいていたので、即座に決定できたのではないかと思います。もともと研究者出身の私ですが、彼の元でならばプロジェクトマネージャーとして働きたいとも思いました。そして、何か言ったら、言った奴がやれっていうのは、この会社のカルチャーなんだとその時から感じてます。
それから1年間、プロジェクトマネージャーとしてチームメンバー10人をまとめながら、この新規プロジェクトを切り盛りしてきた(させられた!?)のですが、ようやく目処が立ちそうな状態にこぎつけてきたように思います。
最初は、冷え性のメカニズムの調査からはじまり、どうすれば暖かく感じるか等の実験を積み重ねて、プロトタイプによる洗濯などの耐水性、耐久性テスト、肌への影響、絶縁性のテストなど、多くの難問がありましたが、その都度、このプロジェクトはここで終わるかもしれないという、緊張感を感じ続けてきたました。ですが、最初に2年間は好きなようにやってよいという承認を得ていたので、とにかく1年間で製品化の道を、2年で商業的な成功を、と考えていましたので、まず最初の関門はクリアできそうな気になってきてました。
更に、このストッキングは、会社全体の中で、民生品第一弾の製品として、他の分野や製品への応用のためのプロパガンダにもなっているというので、会社の将来に大きく関わってくるという責務を感じています。
そういう責任感というか、やりがいをひしひしと感じれる職場であるといえます。ここで、この技術についての説明を少々。人間の体は、通常35度から36度台が平熱とされているのですが、これは体の部位によってだいぶ違うのです。たとえば、足先などは、26度から27度くらいが平均です。一部の冷え性の人々は、冬場には足先が20度程度に下がることがあり、手足が非常に冷たく感じられて、眠れないことも多いのです。(私もそうです。辛いんです、結構。)さらに、冷え性は、様々な病気の遠因となっている事がわかり始めており、「体を温めれば病気は治る」なんていうベストセラーも最近、出ているくらいです。
人間の体を温める場合、体の全てを温める必要はなく、主に体の外側に骨が突出した部分を暖めると、全体が温まるという臨床データを得ています。この部分が血流を抑えているいわば“ダム”となっているため、この“ダム”部分の流れをよくするだけで、部位全体の血流がよくなり、体温が上がります。足の場合は、つま先とくるぶし、かかとなどとなり、今回の製品はこの3点に超薄型電圧パッドを装着したもの。腰付近と、かかとに備えた温度感知パッドの温度差により発電し、電圧パッドに電力を送り、熱に変えます。
冷え性であればあるほど、発電力が増えることになり、温まったら自然に発電がとまるというのが、とってもエコロジーです。単に温度差を軽減するためには熱伝導もありますが、伝導によって温度の高い部位が冷たく感じると逆に寒く感じるために、温度差を一旦電力に変換してからまた熱に置き換えるこの方法が有効である事を発見しました。
ある程度の製品化の道が開けたことで、今後は、この製品の世界展開、量産パートナー探し、この技術の他の分野や製品への応用模索など、次の一年を目処にプロジェクトを進めていく予定です。量産パートナーはすでに一社内定しており、これから地域を絞って、製品紹介を開始する予定です。まず第一弾は、ストッキングの装着率が高く、ファッションに対する意識も高い日本人女性をターゲットとして今年秋頃の発売を目指して日本展開を開始していく予定です。
皆さん、これからGnik-Cotsのストッキングをよろしくね!
(職場紹介を通り越して、だいぶ、宣伝でした、すいません。)
ベティ小鳥遊
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3 「人体にも影響を与えるコンピュータウィルスが登場」
パソコン本体から人体に有害な電磁波を発射させる新種のコンピュータウィルスが登場した模様です。JTPA編集部が関係筋から一番新しい情報を収集しました。
関係筋からの情報によるとこの新種のウィルスは、マザーボード内に埋め込まれているBIOSといわれる基本ソフトウェア部分を改竄し、CPUのクロックを人体への影響が著しいといわれている1.2GHz付近のある特定の周波数に設定する。また、CPUへ供給される電圧も規定より高く設定し、発せられる電磁波を増強させているようである。
最近のパソコンでは、CPUのクロックや、その供給電圧がBIOSにより自動的に設定されるようになっている。また、ソフトウェアであるBIOSはユーザーの便宜を図るためバージョンアップできるように書き換え可能なフラッシュメモリに保存されるようになってきている。これによりマザーボードメーカーが提供している特殊なWindows版のアップグレードソフトを実行させることにより、BIOSの変更が可能となっている。専門家の間では以前からその可能性が指摘されていたが、ついにこれらの点を狙ったウィルスが登場してきた。
この電磁波を短時間受けても人体への影響はほとんどないが、毎日長時間、受け続けていると神経系への影響が懸念されており、ひどい場合には、ホルモンの分泌バランス疾患等が起こるとされている。現在のオフィスワーカーの大半が、長時間パソコンに向かっていることを考えると、今後、多くの人が影響を受ける可能性がある。特にノートパソコンの場合は、ディスクトップパソコンに比べ、身体に近いところで操作する場合が多いので、その影響がより心配されてる。
感染ルートとしては、Windowsプラットフォームの既知のいくつかのセキュリティーホールを通じて行われているがマザーボードのBIOSの書き換えに成功した後は、自分自身を消去して痕跡を残さないので、既存のウィルスチェックソフトウェアでの検知は非常に困難である。予防策としては、Windows Updateを常に最新に保つことである。
現在、セキュリティー関連組織では、その詳細について水面下で調査を行っているようであるが、今のところ公式には発表されていない。
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4 シリコンバレー求人情報一挙掲載
シリコンバレーの景気は回復基調ですが、中々雇用は上向きになりません。
そんな中、ニュースレター編集部では、総力を結集して求人情報を探索した結果
をまとめてみました。ご覧下さい。
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5 次回ニュースレター「飲み会」のお知らせ
JTPA編集部では、編集会議を各月開催しています。ニュースレターの方向性や、将来の原稿について語り合う会です。これは、ニュースレターに興味を持つ人なら誰でも参加できる会です。いつものオフィスでの打ち合わせは「まじめすぎ」という意見が多く出たので、今回は、思い切って、くだけた「飲み会」にする予定です。つぶれるまで徹底的に飲む予定なので、我こそは飲兵衛、アル中だという方はこぞってNewsletter@jtpa.orgまでご連絡ください。MUSE Associatesには寝袋が用意されていますので、飲みすぎた場合、当日に帰宅する心配はございません。
日時: 4月15日(木曜日) 6時ー倒れるまで
場所: MUSE Associates
480 California Avenue, Palo Alto, CA 94304
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最終編集後記 by 戸谷茂山
最近ニュースレターへの投稿が減り、読者の数も伸び悩んでいます。さらに「つまらない」という意見を聞くことも多くなりました。自分ではベストを尽くしたつもりでしたが、これが今月、JTPA関係者からの「ニュースレター編集長リコール」という残念な結果に表れました。
シリコンバレー在住で、是非JTPAニュースレターの編集を受け持ってみたい、という方は、自分の略歴と、「自分ならJTPAニュースレターをこう変える」という提案をNewsletter@jtpa.orgに4月末日までお送りください。書類選考にパスされた方は、ボードメンバー、マネジメントチームによる面接に参加することになります。ちなみに、ニュースレター編集長の特典として、JTPA経費用クレジットカード(ガソリン代、夕食などに利用できます)、JTPA公用車(現在は’83 Ford Tempo。ドアにJTPAのロゴが貼ってあります)が用意されます。
JTPA: All Rights Reserved, April 1, 2004
エープリルフール号です。つまり内容は全て嘘です。