今年最後のギークサロンはNECの桂島航さんをホストに迎えて、ストレージシステムの最新状況について語っていただきました。
以下、竜盛博さんによるレポートをお送りします。
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今回の講師の桂島さんは、研究所でストレージ仮想化技術に携わった後に、自ら提案したグリッドストレージ製品 HYDRAstorのプロダクトマネジメントをするために北米に赴任してきたという輝かしい経歴の持ち主です。ともすると無味乾燥なスペックや専門用語の羅列になりがちなストレージ技術の説明ですが、取っ付きやすい部分を導入としつつ技術の肝はしっかり押さえてあり、またところどころ苦労話や裏話も混ぜてリラックスした雰囲気で進められた、丁寧に練られた内容のサロンでした。
ストレージネットワーク技術の中では、Data Deduplication, SSDの2つが現在最もホットな技術になっており、サロンではこの2つにErasure Codingを加えた3つの技術の解説を軸にして進みました。個人的に興味を持ったのは、
(1)バックアップ容量を劇的に減少させるDeduplicationにおいてはファイルをブロック分割して、ブロックごとにハッシュを計算して重複を検出すること、またブロックの長さを可変長とすることにより劇的な容量減少を実現できること
(2)劇的な速度向上を実現出来るSSDだが、ベンチマークを数分間以上行うと原因不明のパフォーマンス低下が観測される場合もあること
(3)信頼性を劇的に向上させる Erasure Coding では、通信での雑音対策と同じ、冗長性を持たせたエンコードによって信頼性向上を図っていること
の3点でした。それぞれ細かいところが複雑な難しい技術だと思われますが、解りやすい説明で概念を簡単に理解できました。さらに、桂島さんが現在マネージしているHYDRAstorの説明とクラウド時代のストレージシステムについての考察まで盛り込まれ、気がつくと広い範囲をカバーしている、技術的に充実した内容でした。
また、多くの同業者による突っ込みや初心者の質問に真摯に答える態度から、桂島さんの真面目な働きぶりを想像することができました。日米共同でのシリコンバレー流事業立ち上げを行って来た桂島さんの、ビジネス面での経験話も聞いてみたくなりました。
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