最近はシリコンバレーの景気も日本の景気もともに上向いてきたせいか、日本からやってくる人も増え始めました。そこで、ニュースレター編集会議では、「シリコンバレー基礎講座」なる座談会を開催。
シリコンバレー(アメリカ)での生活立ち上げのためにこれだけは知っておきたい、という生活の知恵を集めたものです。


<出国準備編>
海外転出届け
日本の住民税は1月1日時点の所在地を元に請求されるので、年末年始を前後して出国予定の場合は、海外転出届を12月31日までに出す。
PREMIOカードの申請
アメリカでは、特にオンラインで買い物をする時などに、「カードの番号・有効年月日・氏名に加え、カードの請求先住所の郵便番号と照合」を行うことが多く、カードの請求書の送り先が米国内でないと郵便番号照合ができず、使用できないことが頻繁にある。
そこで、アメリカのクレジットカードが必要になるが、入国後すぐに発行手続きをしてもカードが手元に届くまで1ヶ月程度はかかる。何かと物入りな入国直後は、クレジットカードがどうしても欲しいところ。そこで便利なのが、日本出国前から入会手続きができる在外日本人向けのPREMIOカード。入会審査にあたり、日本での信用情報も考慮されるすぐれもの。
こちらのカードはアメリカの住所へ郵送(日本での受取不可)のため、知り合いの住所を借りるなどして、到着後すぐに使える状態にするのがベスト。
外貨キャッシュカード
日本のシティバンクの口座にドル預金があれば、こちらのATMでドル預金が引き出せる外貨キャッシュカードが便利。引き出し時の為替手数料なし、は魅力。
厚生年金払い戻し
アメリカと日本では、年収が3000万円くらいまではアメリカの方が税率が高い。アメリカ入国後の所得はアメリカで申告しなければならないため、日本にいる間にもらえるものはもらっておくのがよい。(引越しをする年だけの話ですが)
<入国後編>
まずやること
ソーシャルセキュリティナンバーの取得、銀行口座の開設、運転免許の取得。現在はSSNがなくても、運転免許の取得が可能。(後にSSNを取得した場合は、DMVに届ける。)
家探し
今回最も盛り上がりを見せたこのトピック。
日本のように不動産屋を介することなく、個人対個人の契約になることが多い住居探し。景気も上向いて来ているこの地は競争者も多く、完全な売り手市場。最大のポイントは、いかにして貸し手の心をつかむか。日本人のウリであるこまやかな心遣いを武器に、他の競争者を駆逐すべし。
そもそも日本人が綺麗好きで金払いがいいことはよく知られており、日本人は好まれる。そこで貸し手にダメ押しの一撃を与えた数々の技とは:
・初めてのアポイントメントで、いなりずし持参。もちろん、履歴書のほかタックスリターン、残高証明など、財政証明となるものをさりげなく置いて帰ることも忘れない。
・可能ならその場で初回分の家賃のチェックを切り、支払い能力/意思があることをアピール。
・現在住んでいる家の庭の写真を持参、庭のこざっぱりとした様子をさりげなくアピール。
飼い犬の履歴書を持参。
・現在住んでいる家の大家からのリファレンスを持参。
・初回見学時に、物件の家の庭から銀杏をもらって帰り、次のアポイントメント時に炒って持参というすごい話も。
とにかく、ありとあらゆる手を駆使して相手に好印象を与える、ということのようだ。
健康保険
医療費の高いアメリカ。健康保険は必需品。アメリカには1800社を超える保険会社があり、それぞれの保険会社が医療機関と契約を結び、その保険会社のネットワークを形成している。日本ではどこの医療機関を受診しても料金にそれほど差はないが、こちらでは自分の入っている保険のネットワークの外/中によって料金がかなり異なる。そこで、よい治療を受けられる医療機関の多いネットワークを選ぶことが重要。おすすめはPPO(Preferred Provider Organizations).
学校から紹介される留学生用の保険は歯科がカバーされていないことが多いが、
・定期的なクリーニング・虫歯のチェックだけだったら保険に入るより無保険の方が安く上がる可能性がある
・保険でカバーされる上限額にすぐ達してしまう
・現金払いだと値切ることができる
などの理由から、歯に自信がある人は歯科保険がなくても大丈夫とのこと。
ちなみに、現金払いでディスカウントがきくのは、医療機関にとっては保険会社との交渉の手間が省けるから。