ファイナンシャルコンサルタントとしてご活躍中のBrian Murphy氏、Chako Ando氏をお招きし、パーソナルファイナンスの基礎知識、「正しい資産運用はどうすべきか」「不安なく老後を過ごすにはどうするか」という心構え・テクニックをお話しいただきました。


退職時に$1milもっているためにはどうすればよいのでしょうか?
$1milあれば働かずに居心地のよい生活レベルを維持するのに十分だろうと言われています。
実はそれは思ったよりも難しいことではありません。個人投資家が犯しがちな過ち、タイミングの誤りをさけて少ないリスクで個人投資を行えば実現できます。
今回のセミナーでは、Pariveda, Incの Brian Murphy氏、同社の設立をサポートしたChako Ando氏にこうした引退資産形成を個人がデザインするためのノウハウを伺いました。
Parivedaは個人投資家を対象とした資産運用をしています。
詳しくは同社のサイトをご覧ください。
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Financial のプランの設計を、家の建設にたとえてBrian氏は説明しました。
-understand yourself – you need to know your own needs
-evaluate your investment options and opportunity
-pick right investment target as if you select the right material for your house
-manage your portfolio continuously as you decorate your house
多くの人が、家や車の購入など目先のことにとらわれて、リタイアのためのファイナンス設計開始を未来に先延ばしにしがちです。また、せっかく積み立てている401kも、全国平均で平均利回りは年間4%しかありません。株式市場が平均10%近くで伸びているのに比較すると、大変悪い運用実績です。これは、多くの人が投資をせずにマネーマーケットなど低利のものに入れたままにしているからです。
まず最初に必要な退職資金のゴールを設定しますが、それには年間必要な金額から逆算します。必要金額の15から20倍のアセットがあれば大丈夫です。例えば、今税引き前12万ドルの年収で快適な暮らしで、このままの生活レベルを維持したいとなれば180万から240万ドルのアセットがいることになります。
一般論として、税引き前年収の20-25%を引退後の資金として運用に回すのをお勧めします。資料の5ページは、30年間、収入の何パーセントを積み立てるかで、資産総額がどう移り変わるかをプロットしたグラフです。運用利回り8%/年、インフレ率3%/年とします。毎年20%弱しか積み立てないと、退職後30年でアセットが0になります。もし10%ずつしか積み立てていないと、30年後のマイナス分は1500万ドルにもなります。一方、退職後も資産が増え続けるのは、毎年22.5%運用に回した場合です。
また、準備はなるべく早く始めましょう。30年働くという前提で、最初から毎年収入の20%の積み立てを始めた場合、退職時の資産は734万ドルになります。5年間何もしないで、残りの25年、同じように20%積み立てると、退職時資産は461万ドルと激減します。10年たってから積み立てを始めると、退職時資産は281万ドルとさらに減ります。できるだけ若いうちから運用を開始するのが重要です。
ベイエリアの生活では、家を買うかどうかも大きな決断です。資料の10ページは、75万ドルの家を買った場合の、賃貸と持ち家の損得比較です。不動産税や、家のローンの税金控除など、様々な要素を勘案すると、10年後に80万ドルで売れて、初めて賃貸と同等になります。それ以上で売れれば、家を買った方が得、それ以下だったら賃貸が得、という計算になります。個人的には、ベイエリアの家の値段は不当に高いと思っており、自分自身は賃貸しています。
米国にはSocial Security公的年金もありますが、そんなものはとても信じられません。Social Securityなど、ないものとして引退資金を準備することが重要です。
資産運用の委託先には、資料12ページにあるように、メリルリンチなどのフルサービスのブローカー、イートレードなどのディスカウントブローカー、またはPrivedaのような投資アドバイザー、という選択肢があります。自分のニーズに適した委託先を選び、早くからの退職資金運用をされることをお勧めします。
今回のセミナーでは、参加者から非常に知的かつ鋭い質問があったと Brian氏からコメントを頂きました。以下、参加された方の感想です。
本日のセミナーで良かった点・役立った点
Investのベースが見えたこと、家をあせって買うことはないと思えたこと
興味を持っていた内容だったのでよかった
非常に具体的でよかった。スピーカーが良い、とても分かりやすかった
トピック、日本でも年金が問題になっているので 2
fundや住宅ローンの情報が得られ、より理解が深まった
テーマが誰にでも関連することであったため、関心を保ちやすかった
mutual fundの投資先がわかった、portfolioについて理解した。
本日のセミナーで改善すべきと思われた点
会場の温度が暑かった4
pizzaを楽しみにしていた
小さなサンドイッチがあるとbetter
質問の時間がもう少し長ければよかった
場所(地図)がわかり難かった。
今後のJTPA セミナー・ワークショップに対するご要望
大いに役立ちます
技術的、アカデミックな話を聞いてみたい
同じトピックで別の会社からのスピーカーの話を聞いてみたい
その他コメント
時々日本語の解説が入ったのもよかった
以上