テーマ ■今企業が欲しがる人材 What’s Hot What’s not
■Jobless Rate highest in 9 years での就職:理想と現実
■就職の窓口 ヘッドハンターの仕組み公開と上手なつきあいかた
IMCA America, Inc. Managind Directorの立野智之、八木博両氏をスピーカーに7月28日、Palo Altoにて開催しました。上記の3つのテーマを中心に、ベストなキャリアプランの作り方ノウハウが、具体的な事例、現在の動向とともに説明されました。


始めに八木氏より、シリコンバレーの動向とハイテクベンチャー業界について。
八木氏プレゼンテーションファイル
次に、研究者、技術者でありながら、ビジネスにおける重要な役割も担うキャリアをディベロップしていくモデルを紹介。ちなみに、バイオテック業界では、研究者がCEOになる可能性も高いとのことである。
一般的にプロのマネジメントが務めるCEOに研究者がなれる背景には人材育成に関して、日米の企業間に文化の違いが存在する。特にシリコンバレーでは、ベンチャー企業とベンチャーを育てるインフラ、つまり行政、産業界、大学など支援機関の連携が上手く機能しているのと同様、優秀な”人”を世界中から集め、その才能を育てる文化がある。また研究者出身、成功経験のある優秀な経営者・リーダーが若手の支援を惜しまない。
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引き続き、北米における転職・求職活動の実態について。失業率が過去9年間で最高である今、転職が容易でないのは事実である。その一方で、企業・人材は常によりよい人材・企業を互いに探している。八木氏によるとインターネット上では公開されないポジションの空きが現実に存在し、60%以上の転職が、友人・知人の紹介により決まっているとのこと。また、企業の技術・製品を発表する展示会もキャリアフェアとしての一面をもち、企業にとっては人材発掘のチャンスとしての役割も担っている。
では、企業にとって魅力的な”人財”としてキャリアをデザインするには、どのような意識をもち、自身の教育プランを実践し、組織における責任範囲を広げ、結果、活躍の場、キャリアアップの機会を増やすことが出来るのか?キャリアデザインのTipsを時系列にそって紹介しつつ(添付ファイル参照)八木氏はここでも再び、社内・業界の両方において、水平・垂直の2方向でネットワークを拡大することの重要性を強調された。
八木氏のトークは、バイオベンチャー業界における、イムカアメリカを通じた転職事例、企業クライアントへの支援事例、そして如何にリクルーターを利用すべきか?という求職者へのアドバイスで締めくくられた。
引き続き、イムカ Managing Director、 IT, Venture Management 担当の立野氏より、Job Marketの現実、求職者への具体的なアドバイスと転職の事例についてプレゼンテーションされた。
始めに、立野氏ご自身の経歴が、ご家族のエピソード、ユーモアを交えて紹介された。立野氏が、システムのエンジニアとしてキャリアをスタートされ、専門性をシステム開発の現場で高めながら、同時にマネジメントの経験を積んできたこと。そのプロセスで、複数の海外駐在を経験したこと、その経験を買われヘッドハンティングされ初めての転職にいたったこと。この一連のキャリアディベロップメントにおいて、立野氏はcross-culturalなチームに日本人として現地に派遣された際、チームでの責任や役割を理解され、ご自身を活かす方法を開発し、キャリアディベロップメントのmuscleを鍛えられたのではと感じた。立野氏のキャリアと転職にまつわるお話はさらに続いた。
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引き続き、最近のシリコンバレーのJob Marketについて。失業率は8.7%と公表されているが、実際のレイオフはさらに多く、問題の深刻さを指摘。ヘッドハンターは求人企業とのやりとりを通して、景気の動向を早めに知ることが出来るとのこと。故に、情報収集のためにも、求職者はヘッドハンターを利用するメリットがある。
失業率は高い一方で、現実には企業は採用を続けている。八木氏もふれていたように、企業は優秀な人材を常に求め、体力ある企業はレイオフと採用を同時に行っている。また現在の傾向のひとつであるが、ビジネスの中心である基幹部門の他に新規事業をたちあげる企業も多いため、求職情報を収集する際には、一見自分の専門分野外と思われる業界に目を向けることも勧められた。
次に、Job Searchのための具体的なアドバイスを、企業側の視点 – 企業がいかにイムカを使うか – を交えて語られ、参加されたみなさんの中にも、熱心にメモをとる姿が多く見受けられた。具体的なTipsとして、履歴書は応募企業ごとに書き換える、企業の動向を常に把握する努力、情報収集のためにリクルーターを利用するメリットを指摘。さらに、ご自分の転職経験にも触れて、70%の転職が口コミで決まっていることを説明された。
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立野氏のトークの最後は、現在シリコンバレーにおいてキャリアをデザインされているセミナー参加者へのエールという形で締めくくられた。
まず、求職活動のスタートが手遅れにならないように早めにスタートするということ。次に、キャリアデザインとライフデザインを考える際に、自分のプライオリティを明確にすることを勧められた。最後に、自分のキャリアをなぜシリコンバレーでデザインしようとしているのか、”Why シリコンバレー?”といま一度自分に問いかけることを呼びかけ、セミナーは終了した。
立野氏プレゼンテーションファイル
51名の事前申し込みされた方に加え、9名の方が当日申し込みで参加されました。
セミナー全体を通して、参加されたみなさんの集中力、モチベーションが印象深く、セミナー後のQ&Aやネットワーキングからも同じ印象を受けました。
皆様からのセミナーの内容に関するフィードバックからも、意識の高さを強く感じると共に、今後のセミナー企画に活かしていきます。
最後に、会場のキャパシティ、レイアウト、運営に関するコメントに感謝致します。