巷で流行のOnline Social Networking。いつも興味深い投稿でJTPAを楽しませてくれる東原氏から、Online Social NetworkingのひとつLinkedin.comを利用した体験談が届きました。
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JTPAの渡辺千賀さんと私はつながっています。え?ヘンな意味ではないですよ。LinkedIn(www.linkedin.com)でつながっているのです。昨年末JTPAでネットワークに関して懇談会がありましたが、その席で千賀さんがLinkedInなるものを紹介してくれました。
LinkedInとは最近流行りのOnline Networking Serviceのひとつでした。親切な千賀さんのこと(ちまたでJTPAに怖い?千賀さんありとうわさもされておりますが、本当は千賀さんは親切な方でもす)その懇談のすぐあとLinkedInへの招待状を送ってくれたのです。LinkedInのメンバーはLinkedInを通して招待状を送ることができます。その招待に応えるとLinkedIn上で招待者とのコネクションが成立します。
さて、リンクしたのは良いですが、LinkedInに自分を登録しなくてはいけません。LinkedIn上の自己紹介はアルファベットと数字合計の500文字以内に限られています。この中で自分のことを効果的にまとめあげて表現(売り込む)必要があり、書き込みしては次の日また全部書き直すという仕事を4日程続けました。所詮、試しに始めたOnline Networking Service、別にどうでもよかったのかもしれませんが、自分のこれまでを500文字で表すというのがいかに大変なことかを実感しました。自分の書き込みを読み返すたびに不満箇所を見つけ、結局4日もかけてしまったわけです。
さて、今年に入って突然全く知らない人から携帯電話に連絡が入り始めました。最初は何のことかわからず新手のDMか?と思ったりしたのですが「LinkedInがどうのこうの」と言っていることから、LinkedInに電話番号を載せたことを思い出しました。同じ人物からE-MAILも多分来ていたのでしょうが、知らないところから来たE-MAILは読まないで消せというのが昨今の掟?なので、彼のE-MAIL も読まずにDeleteしてしまったはず。ともあれ、電話はかれこれこれ今までに5件。
上記の1件は全く畑違いの化学関連の製品情報に関する日本語化ブリーフ(5ページ)の査読依頼。 NDAをFAXで送ってきてまずサインさせられてその後E-MAILでPDFファイルがおくられてきました。ちなみにNDAとはNon Disclosure Agreementの略、簡単に言えば機密保持に関する契約書です。USのビジネスでは頻繁に登場します。この会社(人)からその後、突然「査読に何時間かけたか教えてくれ。コンサルテーションFEEは会社規定によるけどよいか?」とE-MAILがやってきました。どうやら査読を一種のコンサルタントジョブ(それを私がうけたと)解釈している様子。読むだけなので1時間も使っていないので、正直に1時間と言ってしまいました。
もっと面白いのがLinkedInで知り合ったある人(とそのスタッフ)と特許申請することになってしまったことです。 会社のプロジェクトがちょうど終わって少し余裕もあるこのごろ、LinkedInで「見たよ」という人物からサンフランシスコで昼食でもどうだ?ともちかけられました。どうも何か困っていることがあるようで、私に良いアイデアがないか聞きたいとか。昼食に指定された場所も良くわからないままOKをしたのですが、話を聞いているうちに幾つかアイデアがでてきました。私の話を聞きながら、彼のスタッフはノートブックを開き、既にページ番号が振られているラボノートにその場で図を幾つか描き上げました。ちなみにそういった話を始める前にまたしてもNDAにサインをさせられたのは言うまでもありません。
詳しいことはこれ以上書けないですが(なにしろ特許が絡んでいるので)、それから1週間もたたない間にE―MAILがやってきます、「特許申請したい」と。それに加え、「つきましては君をCo-Inventorにしたい」とのこと。まだ不明な点も多々あるので、これからしばらく私を自分のテクニカルアドバイザーをしてくれないかという記述もありました。 といわれてもCo-Inventorといってアイデアはすべて私のものなのだけれど?、という疑問も残ります(彼には「困っている」問題があっただけのはず)。その後、契約書類が送られてきましたが、友人で弁護士の資格がある者に見せると「まずはサインしないことだ」(色々と不利なことが記載されているとか)と言われたため、このアドバイスに従って契約書を見直している最中です。
ともあれLinkedInで知り合って1ヶ月もたたずして特許申請にまで話が進んでしまう。シリコンバレーでは、昼食時の話が元で会社設立までいったりすると聞いたりしますがこの特許申請、本当に特許取得となったらどうビジネスに結びつくのでしょう?興味あるところです。
ともあれ千賀さんとひょんなことでLinkedInでコネクトしたところ、何か新しいことが自分の身の周りで起ころうとしています。
(注1)
USのパテントに関する法律は日本、ヨーロッパと随分異なります。もっとも異なるのが先発明主義(日本などは先願主義)、非公開主義(日本では特許申請は時期がくれば全て公開される)でしょう。先発明主義ですからラボノートなどの発明(それが単なるアイデアの域をこえている必要はある)を立証できる証拠が非常に重要になります。
(注2)
いったい全体業務時間にサンタクララからサンフランシスコまで昼食に出かけたわけですが、よく知られているように、シリコンバレーの少なくともいわゆるホワイトカラー職(エンジニアも含む)の業務形態はフレックス。私は朝7時から夕方5時を会社で仕事することにしていますが昼頃来る同僚もいます。また最近Cable Modem, DSLの発達もあり在宅勤務も認める会社が増えています。私も毎週火曜は午後から在宅勤務にしています。昼食時間を特別長く取ったわけですがMeetingなどなかった日なのでとりわけ問題になるようなことでもなかったのです(この日はその後自宅で仕事をしたのは言うまでもありません)。