今回はJTPAニュースレター編集長であるMozan氏の一日。シリコンバレーの建設業界で働く一日を見てみましょう。エンジニアといっても、建設エンジニアの仕事内容のほとんどが「コーディネーション。」一日のほとんどがミーティングと電話だといいます。ワーカホリックの米国人に囲まれた職場は目が回るほど忙しい!


私の一日
4:00AM
起床
スポーツウェアに着替え、洋服と靴を詰めたGYM Bagをトラックベッドに投げ込みフィットネス・クラブへ。
4:20AM
オフィスに一番近い24Hourフィットネスに着く。24Hourフィットネスは24時間営業のチェーン・フィットネス・クラブ。会社割引で入会しているので会費がとても安い。朝が早い建設会社社員に24時間営業は助かる!その24Hourフィットネスに行く理由は、体力をつけるのが第一の目的。「体が弱い」などという評判が立とうものならすぐにクビの対象になってしまう。昔から怪我をしている腕のリハビリも兼ねて、とにかく強い体を造る。第二の目的は情報交換。オフィスに近いGYMなので、同じ会社の連中が集まる。「GYM仲間」は不思議と絆が強く、貴重な情報を集めることが出来る。
5:00AM
シャワーを浴び、現場に向かう。やっとスターバックス・コーヒーが開く時間。Ventiサイズ(一番大きいサイズ)のコーヒー買い、San Jose Mercury Newsというローカル新聞を買う。ドライブの間、ラジオはAMのKGOか、FMのNational Public Radio(NPR)。NPRの内容は面白いが、ローカル・ニュースの報道は無い。NPRをかけながらShadowingで英語を練習する朝もある。
6:00AM
現場到着。ラップトップを起動しながら、ざっと新聞に目を通す。コンピューターが起動したら昨日から溜まっているE-mailチェックをしながら、ノートに今日のTODOリストを作成する。DPRの社内連絡はすべてがE-mail。Junk Mailを除くと、大体一日に平均して80通のE-mailが届く。ファックスで届いた文書もこの時間を使って整理する。E-mailへの返答はこの時間を利用して書く。
6:30AM
現場監督達とDailyミーティング。今日の工事予定、安全対策や施工問題についてコーヒーを片手に語り会う。TODOリストにメモを足す。
7:00AM
下請社員に現場の安全管理についてオリエンテーションを行う。契約社会の米国では、現場職員に事細かに安全管理を説明しておくのが大事。説明が足りなかった、という理由で事故の後に裁判になることも多々。時間に余裕がある場合、現場に出て、建設工程の確認をする。外に集まっている下請けと世間話も含めて情報を交換しあう。
7:30AM
オフィス・スタッフでミーティング。重要な用件を全員で確認し合う。ドーナッツかベーグルが用意される。ミーティングは30分で終わることもあるが、1時間以上かかることもある。8時あたりになると、電話がひっきりなしに鳴り出し、同時に下請けが質問で集まり出す。この忙しさでミーティングが自然と終わるのがいつものこと。
8:00
この時間は現場で起こった問題解決に当てられる。電話、電話、電話、電話と電話が鳴り放題に鳴りはじめる。問題は設計不良からであったり、自らの工程管理ミスからおこったり。下請けが質問のため自分の席に集まる。建築家がそろそろ会社に着く時間。質疑はオンライン・プロジェクト・マネジメント・ツールであるPrologを使って建築家に送られる。Faxと異なり、送ったものがすべてログされるのはとても助かる。
10:00
下請け同士のコーディネーション・ミーティングを取りまとめる。施工図を持ち寄り、工事中に起こりそうな問題点を話しあう。建物の造り方は100通り以上ある。この取りまとめはゼネコンの「コーディネーション」をまとめる腕の見せ所でもある。
11:00
ミーティングの間に既にたまってしまった問題の整理。問題の80%は設計不良から。問題が大きい場合は、会議室に移動し建築家達とコンファレンス・コールをし、問題解決に力を入れる。解決した問題をすべて書類化するのも大事。
12:00
ランチ中も仕事。持ってきたサンドイッチを片手で食べながら、再びE-mailのチェック。アメリカにランチ・タイムなど存在しない。12時から1時の間も電話はひっきりなしに鳴る。ランチを持ち寄ってミーティングをすることも多々。ブラウン・バッグ・ランチと呼ぶ。時間に余裕があるときは、午前中のミーティングの議事録をPrologで作成し、プロジェクト・エグゼクティブにE-mailしておく。
12:30
この時点で既に書類が机に山積みになっている。質疑応答、施工図などのチェックを始める。契約社会の米国ではこういった書類を正確に記録しておくことが大事。その日に送る書類はアシスタントを使って梱包を始める。午後の活動のプランを建てるのもこの時間。時間をみて工事現場をチェックしに行く。
1:30
施主とミーティング。工事進捗状況や設計変更などについて語り会う。コンファレンス・コールに参加する人を集めると20人以上集まる一番大きなミーティング。現在は二つのプロジェクトを同時進行で担当しているので、二つのミーティングをとりまとめている。ミーティングの進行はゼネコンの担当。進行させながらもメモを取るのはとても忙しい。同僚にフォローアップするようにメモを頼む。
3:00
ミーティング終了。細かい問題を語りあうため、別のミーティングに移行する。現場にでて問題点の確認したり、設計図や施工図をチェックする。ミーティングの間に留守電が山のように入っている。
3:30
一番早く来た下請けが帰りだす時間。やっと現場が静かになり、私も机に座って仕事を始める時間。留守電を残した相手に片っ端から電話をする。電話の返答は絶対にその日の内にするのがスピード・マニアであるアメリカ人達の間のルール。コンピュータに向かい、スケジュールのアップデートや、ありとあらゆるログの整理をする。今日の問題点を質疑応答書に記録し、Prologを通じて建築家に送る。施主とのミーティングの議事録もPrologに早速記録する。机上に散らばった書類の整理もこの時間。この時間帯が一番自分の仕事に集中できる時間。現場に出て、一日の工程の最終確認をする。
5:00
朝5時から仕事をしている現場監督達が帰る時間。簡単な反省会、明日一番にやる仕事を話し合う。問題点が大きい場合、現場監督たちもこれから1-2時間残って仕事をする。現場監督が帰った後、E-mailのチェックをする。出来るだけ多くのE-mailに返事をして、また仕事に戻る。設計図書を読むのに集中できる時間だ。静かになった中、いつも遅れをとっている議事録を書き上げる。他の現場にいる同僚達に電話をして情報交換するのもこの時間。会社のエグゼクティブが電話で今日一日の活動をチェックしてくる。
宅急便が山となった書類を事務所から持っていく。
6:30―8:00
仕事の量によって帰る時間はいつも変わる。最低一日に12時間は働く。9時や10時まで残ることも。現場事務所の鍵を閉め、現場のゲートをすべて確認する。
あくまでも現場事務所は工事中心で動いている。毎日の仕事内容も工事の進捗状況で変わる。もしも工事に問題があれば、一日中、工事現場で工事監理をすることもある。朝3時に現場に顔を出したり、深夜まで残って仕事をすることもある。
8:00―9:30
帰宅。簡単に食事を済ませ、掃除などの家事をしたり、書類の整理をする。最近は家をあちこち修理しているのでとてもいそがしい。TVでニュースを見ながら、インターネットで情報収集をする。もちろんスポーツチャンネルでアメフトの結果のチェックも忘れない。建設関係の勉強も時間のある限りはする。特定の情報が必要で遅くに近所の本屋に行くことも。本屋は10時まで開いている。本をカフェに持ち込んで必要な情報をメモする。夜は趣味でHGTVやTLCなどの専門チャンネルを見ることもある。コメディ・セントラルも好きなチャンネルの一つ。
11:00-12:00
ストレッチをした後シャワーを浴び、就床