前回にひきつづき、在ベイエリアの皆さんにもろもろの「生活の知恵」を語って頂きました。参加者の方は在米数ヶ月~十数年とレンジが広く、それぞれのニーズに合った話題を提供して下さいました。


ヘアカット
散髪です。東洋人の毛髪は欧米人と比べて太くて硬いので、はさみの質や切り方が異なるのだそうです。こちらのサロンで髪を切ってもらっていたところ、はさみが壊れてしまった。という話も聞いたことがあります。また、くせ毛で量が多かったため、切っている途中で「もう帰ってくれ」と言われたことが3回ある。という人も。というわけで、東洋人の、東洋人による、東洋人のためのヘアサロンに行くのが良いでしょう。コストパフォーマンスの高いベトナム系、コストは安いがスキルもいまいちな中国系、スキルも値段もお高い日本人経営のサロンと、選択肢は幅広いです。おすすめは「ベトナム系」です。なお、下でチップの話が出てきますが、散髪をしてもらった場合のチップの相場は20%くらいとのこと。
年金
全米でもNYに次いで2番目に生活コストのかかるベイエリアにあって、老後の備えは何かと気になるもの。以前JTPAでもFinancial Advisorの方をお招きしてセミナーをやって頂いたことがありますが、年収(税引き前)の30%程度を毎年積み立てる必要があるとのこと。安心してリタイアするために必要な額はなんと、ベイエリアでは2億円。編集会議では、タイなどの生活コストの比較的安い国でリタイアすればいい、という案が出ました。タイ、インドなどは医療も素晴らしく、暖かい気候やノンビリした雰囲気も合わせて、老後を過ごすにはもってこいなのではないか、と。
医療
前回ご紹介した通り、こちらの医療保険システムはとっても複雑で、極力お金を払いたくない保険会社は「その治療はカバーされない」などと言って被保険者の負担額を増額しようとします。そのため、保険を買うとついてくる資料はきっちり読み、何がカバーされて何がカバーされないか?を被保険者も知っておく必要があります。また、治療費のカバー率もわりといいかげんだったりするので、本来保険で9割カバーされるべきところ、8割5分しかカバーされていない!などのこまかなミスはよくあるようです。領収書をチェックする習慣を持つとよいでしょう。
なお、治療費を滞納すると、会社に取り立てがくる。とのことですのでご注意ください。
チップ
チップは15%~20%が適正なため、消費税率が8%前後であるベイエリアでは消費税額の2倍。と覚えておくと計算がらくちんです。なお、チップを払わなくてもOKな施設として、
・回転寿司
・飲茶その他の中華系
・バフェ式レストラン(「バイキング式」)
・To Goのとき(「テイクアウト」)
・デリバリーのとき が挙がりました。
空港近くのホテルの和食レストランでは、チップ込みの代金がメニューに書かれていたりもします。日本にはチップの習慣がないため、旅行者がついチップを忘れてしまう、という話はよく聞きますが、チップは領収書を取ることができないため、日本の会社では経費で清算できない!という問題もあるようです。その場合はチップ込みで請求してもらったほうが双方にとって合理的ですね。
飲食施設のほか、ごみ回収業者、郵便屋さん、新聞屋さん、スクールバスの運転手にもクリスマスにプレゼントを渡します。クリスマスシーズンに、ごみ箱の裏に$50つけておいたところ、以降どんなにごみの量が多くても回収してくれるようになったとか。(本当は回収量に制限がある。)また、学校の先生にも、各学年の最後にプレゼントを渡したりするようです。この場合キャッシュではなく、ギフト券などを渡すとか。
ネットワーキングのコツ
コツは「細く長く」。半年に1回くらい会う人を山のように作り、ランチに誘うのがシリコンバレー流ネットワーキング。会社が守ってくれないので、個人としていろんなことに首をつっこみ、自分の出せるvalueのアピールをするのがよいとのこと。会社に入ってからも、そうやって昇給や昇進を勝ち取るのだそうです。また、パーティーなどで名刺を配ってもあまり効果はなく、自分から動かなければダメのようです。また、ある日突然会社がなくなることが珍しくないこの地では、「名刺に会社名を入れない。自分のキャッチフレーズを入れる」という人も。自分のウデ一本でやっていける人ならではですね。
その他、
・ランチを外で取る
・ゴルフに一人で行く(ラウンドするときに、他の人と混ぜてもらえる)
・ジムに行く などが挙がり、中には「子供を生むと知り合いが増える!」とのコメントも。
ビジネスのコネを育てるのも、パートナー探しも、どうかすると職場⇔家を車で往復。の繰り返しになってしまうアメリカでは自分から積極的に動くことがポイントのようです。