JTPAニュースレター編集部は、シリコンバレーの現地企業で働く日本人ボランティアで成り立っています。今回は、そのメンバーで「シリコンバレーで働いて気づいたEメール利用・暗黙のルール」について話し合い、その結果を座談会風にまとめてみました。「それは違う」「こんなこともある」など、ご意見があれば newsletter@jtpa.orgまで送ってください。


■厳しいことを書かない
「結構英語ができる日本の人にありがちなんだけど、『アメリカ人は、厳密・厳格にはっきりメールに書くものだ』と思って、驚くほど隙のない厳しい内容のメールを書いてくる人がいる。」
「僕の会社でも、厳しいメールを書いてくるので、シリコンバレーの本社で密かに話題になっていた日本支社の人がいたんだけど、その人が出張してくるというので、みんな『どんなヤツだろう』と身構えて待っていたら、ごくごく普通の人で拍子抜け、なんてこともあった。」
■あまり長いメールを書かない
「込み入った話を、長文のメールで延々と書く人が日本の人に時々いるよね。」
「あまり長いと読まない。注文内容の確認とか、文章で記録を残す必要のあるものはいいんだけど。」
■メールでのやり取りが適切でない内容は電話で話す
「ネガティブな内容のものは、メールで文章にして書くと、ものすごく厳しく響くことがある。そういうことは電話で話した方がいい」
「込み入った内容の話もそう。あまり長いメールになるようだったら、電話会議の時間を設定して、話した方が理解しあえる。」
「あと、ちょっとタッチーな内容のもの、文章で記録に残したくないようなことは、電話が基本」
「一般的に、仕事に電話を多用するのがシリコンバレーでは普通かな」
■差出人の了承なく転送しない
「うかつに転送するとトラブルの元」
「『Aさんがこんなことを言っているがBさんはどう思うか』みたいな感じでAからのメールをBに転送して、『こんなこと』の中身がネガティブだった場合、Aさんに恨まれたり。」
「あ、そこでBにも嫌がられることがあるね。『Aがこういう風に言ってるなんて知りたくなかった』って感じ」
「全体のコンテクストを抜きに、一部だけを抜粋して『Aがこんなことを言っていた』と転送されるのも誤解を招くので嫌だな」
「いずれにせよ、明らかにOKと思われる場合を除いて、元の差出人がわかる形で転送しない、どうしても転送するときは差出人の許可を得る、というのが基本」
「それと、自分がメールを出すときは、相手が不用意に転送することを前提に、内容に注意して出したほうがいいね」
■何かを依頼するとき、複数の人をあて先にしない
「大勢をあて先にして依頼すると、結局誰も自分の仕事だと思わなくて何も起こらないことがある」
「仕事のワークフロールールとして、関係者全体に出すことが決まっていたら話は別」
■メールのあて先は最小限に
「前の話とも重なるけど、無闇に大勢の人をTOにいれたりCCしたりしない方がいい。」
「相手の上司なんかを敢えてCCに入れて、『ちゃんと依頼を処理しろ』と無言のプレッシャーを入れる、ということはあるね」
「そういう明確な目的があるとき以外は、メールのあて先はなるべく少なくするのがトラブルを防ぐ」
「似た話だと、Reply Allはトラブルになることが結構あるね。例えばAという人がCCに含まれていたのに気づかずに、Aの仕事に否定的な内容を書いてreply allした結果、A本人にも直接そのメールが届いてしまうとか」
■役に立つtips
「間違えて全部書き終わる前に送信してしまうことがある。ナローバンドの頃はケーブルを引き抜けば送信を途中で防ぐことができたけれど、ブロードバンドだと一瞬で送信されてしまうのでもう無理。これを防ぐために、宛先はブランクのままメールを書くのがいい。それから、一旦送信ボックスに溜めておいて、その後マニュアルで送受信ボタンを押してはじめて送信されるような設定にしておくと間違いが防げる。」
「僕が前にいた会社では、プロジェクトごとに、プロジェクトチーム全員で集まってメール利用のルールを決めていた。これは結構有効だったな」