所属: 早稲田大学理工学部機械工学科
研修機関名: Global Alliance Partners
研修期間: 2003年 2月18日〜2月28日
シリコンバレーで働く、起業家・コンサルタント・投資家・弁護士・エンジニア等様々な方にシリコンバレーの様子や,仕事観,価値観、モチベーション等をインタビューできた事はこの上なく自分の価値観、キャリアの参考となり、毎日がとても刺激的でした。 


・インターンシップ募集時に望んだこと
1.シリコンバレー概要・経営の強さの把握 常に技術革新が起きているシリコンバレーの概要を知る事とシリコンバレーのベンチャーの経営モデルを知る事。また、日本の大企業でインターンシップ、今後の日本の製造業に危機感を覚え、最強のビジネスモデルと言われるシリコンバレーの強さの中に日本企業の復興への一つの鍵があるのではと考えました。
2.技術動向の把握  これからの産業を引っ張っていく技術を自分の目で見る事.技術で世界に挑戦するベンチャー企業を自分もみて、情報誌などの他に,いままさに進行中の内容を少しでも理解し,今まさに何が起こっているかを把握する事。
3.今後の自分のキャリアの参考 将来、技術の事業化に関わっていこうと考えているため、起業をするための,様々な人のキャリア、考え方、価値観を間近で見、感じる事により、今後の自分のキャリアの参考にする事。
・研修を受けるための準備
シリコンバレーについて、マーケッティング、経営、IT業界の本を読み、概要、業界に関する知識をつけました。IT技術調査に関しての知見を得るため、自動車展示会に行きました。また、航空券、宿泊施設、レンタカーなどの事前準備をしました。
・研修内容
主な内容は,社員の方とミーティングに参加する事と、自分なりのリサーチを決めて、それに関する調査を行う事でした。その傍ら、シリコンバレーで働く様々な人にインタビューし、シリコンバレーの概要・技術動向・キャリアなどのお話を伺いました。
・職場で感じたこと
たくさんの社員が机を合わせて仕事をしているのかと想像していたが、現地では一人一人が仕切られている、あるいは個室の自分の空間をもち、仕事を自由にしている印象を持ちました。余談ですが、特にスーツという雰囲気ではなく契約時でもカジュアルな服装で仕事をされていました。
・研修を終了して
シリコンバレーの概要・強さの鍵
1.完全なネットワーク社会
ビジネスのきっかけ、契約、投資、会社運営など人に対してとても重要視される。いろいろな所にネットワークがはりめぐらされている。 その根底にあるのがビジネスは人がつくるものだという価値観。
2.コア事業の明確化と徹底的なアウトソーシング
自社の強み、コア事業に対して集中的に特化し、競合他社に負けないものを作る。その反面、足りない物は積極的にいろいろなところとアライアンスを組み、ビジネスに仕上げていく。自社で全部やろうという風には考えていない。
3.全世界からの完全な競争社会
様々な企業訪問を通して、国籍を越え様々な人が切磋琢磨し合い、個人個人が国境を越えて世界を舞台として働いているという印象を強く受けました。その中で、お互いのオリジナリティ、価値観、異種性により相互に刺激し合い、そこからイノベーションを起こしていくのだと感じました。
4.アントレプレナー精神
一人一人が人と違う事を意識し、自分の価値を常に考えている。その中で他に無いもの、事をやろうというアントレプレナー精神が強く根付いているのだと思いました。これら他の人がやっていない事をどんどんするというアントレプレナー精神を持つ個人が集まるため競争力のある事業集団となり、コアな強みを持つ会社となり、シリコンバレー全体の競争力につながっているのではないかと感じました。
技術動向
インターン先の取引企業や、 様々な立場から技術に関わってらっしゃる様々な人の話を聞く事により、シリコンバレーで注目されている様々な技術動向の知見を得る事ができました。
キャリアについて
様々な人のインタビューの中で、強い信念、または問題意識を持ち、それに対して着実に数年先の将来を見据えて行動してこられたお話などが印象的でした。
・感想
全体の感想
シリコンバレーの特徴の一つに、世界中から集まってきた技術者、経営者による競合が行われ、技術革新が生まれている。穏やかな地中海性気候、スタンフォード大学、UCBを始めとする教育機関との技術提携、多種多様な人種による異種性、起業家精神、リスクを恐れない挑戦心、豊富な投資資金などなど、様々な人の競争の土壌を生み出すものが、シリコンバレーにはあると感じました。
良かった点
シリコンバレーで働く、起業家・コンサルタント・投資家・弁護士・エンジニア等様々な方にシリコンバレーの様子や,仕事観,価値観、モチベーション等をインタビューできた事はこの上なく自分の価値観、キャリアの参考となり、毎日がとても刺激的でした。
苦労した点
インタビューを行う際、ランチミーティングというのが何度かあったが、様々な人と、いろんな話題に及ぶ中で、実際会話の流れをよんで自分の聞きたい事を聞き出すのは大変むずかしかった。結局、ランチミーティングの会話についていく(ビジネスを進めていく)為には、単なる業界知識うんぬんというよりも、その人の持つ教養、知識、趣味など幅広い人間力が必要なのだと感じました。
・インターンシップ制度の今後の展開・要望
期間をもう少し長く出来たら良いと思いました。2週間では、会社の取引先、提携先等が,どのように関わっているのか,ビジネスのどの段階にいるのかがようやくわかり始めた段階なので、もっと時間があればより深くまで理解できると思いました。ただ、宿泊費とレンタカー代だけで一日$100以上かかってしまったので、スタンフォード大の寮と提携するなど費用の節約ができたら良いと思います。
もう少し、社員の方と一緒に仕事ができたら良いと思いました。実際の自分の仕事以外に、社員の方がどのようなアプローチ,どのような思考・判断で仕事を進めていくのかをより間近に感じることができると思います。