最近のニュースで、東京スカイツリーの展望台と地上に2個の原子時計を設置してタワーの上下で時間の流れが僅かに異なることを実際に測定したという記事をご覧になった方もいらっしゃるでしょう。また、我々の生活にすっかり不可欠となったGPS技術では、現在位置を知るために複数のGPS衛星から発信される電波の発信時刻と受信時刻の差を原子時計を使って正確に計測することで各衛星との距離を算出する方法が用いられています。このように原子時計は案外我々の身近なところに使われていますが、その仕組みはどうなっているのでしょう?なぜこれほど正確な時間計測が可能なのでしょうか?

2020年7月のJTPAギークサロンは、スタンフォード大学物理学科にて博士研究員として原子物理の研究を行われている川崎瑛生(Akio Kawasaki)氏をお迎えして原子時計の世界について詳しくお話しいただきます。前回のギークサロンに引き続き、Zoomを使ったオンライン開催となりますので、日本など遠方からも参加できます。事前質問も受け付けていますので奮って質問をご投稿ください(詳細は下記)。

川崎氏は東京大学理学部で物理学を学んだ後、マサチューセッツ工科大学(MIT)の物理学科にて超低温原子や量子光学の研究を専門とするヴラダン・ヴレティッチ教授のもと、イッテルビウムの同位体を使った原子時計の研究により博士号を取得されました。その後、スタンフォード大学理学部にて博士研究員として勤務され始めた後、卓越した若手研究者を支援するWilliam M. and Jane D. Fairbank Postdoctoral Fellowshipプログラムに選出され、現在はスタンフォード大学物理学科ならびにハンセン実験物理研究所(HEPL)にて博士研究員として勤務され、「光ピンセットにトラップされたミクロンサイズの微小球を用いた短距離での重力の測定」をジョルジオ・グラッタ教授の研究室で行われています。

ギークサロン当日は、冒頭に紹介したような原子時計に関する身近な事例をはじめ、原子時計やそれを通じて見える基礎物理の世界の最新状況を絡めながら川崎氏の研究分野の解説を分かりやすく行っていただくとともに、参加者との質疑応答を通じてさらに専門的な領域にまで掘り下げてお話しいただきます。

川崎瑛生氏プロフィール:
http://web.stanford.edu/~akiok/JPN.html

ご注意
本イベントは米国西海岸時間の2020年7月10日(金)午後8時から開催されます。日本から参加される場合、日本時間では7月11日(土)の正午となります。

プログラム
8PM 川崎氏ご講演、質疑応答など
9PM〜9:30PM頃 一旦終了
その後希望者は少人数のグループに分かれてネットワーキング

参加される方は下記Meetupリンクより登録を行ってください。Zoom情報は参加登録後にMeetup情報に表示されます。
https://www.meetup.com/JTPA-Japanese-Technology-Professionals-Association/events/271661595/

講演後のネットワーキングはZoom上で数名ずつの小部屋(breakout rooms)に分かれて行われます。20〜30分ほどの間隔で再割り当てを2〜3度行う予定です。運営スタッフから随時全体アナウンスを流しますので、そちらに従っていただきますようお願いいたします。